みかんの定例会
5月の研修
今回は各利用者様毎のグループミーティングを行いました。年に数回グループミーティングをしますが、今回も最近の利用者さんの様子やケア内容の再確認や、疑問などがあればスタッフ同士で話し合いをしてもらいました。今年に入って新しいスタッフも増え、また新たな意見が飛び交いました。
先日の熊本地震を教訓に緊急時の対応や緊急連絡も確認をし、適切な行動がとれるような話し合いもしていました。
同じ利用者様宅にケアに入っていても時間帯が違うとスタッフ同士が顔を合わせる事が少なくなります。顔を合わせて交流ができるこの会はとても有効であると考えております。
4月の研修
今回は人工呼吸器を装着し、この社会で共に生きる方々にスポットを当てた自主制作映画「風はいきよという」の上映会を行いました。
訪問介護みかんでも、ほとんどの利用者様が人工呼吸器を装着しています。
利用者様でも病状の程度が違うので、完全に自宅で過ごされる方、余暇の楽しみを屋外で過ごす方、学校に通われながら社会参加する方と様々です。呼吸器をつけての社会参加は口で言うほど簡単なものではなく、まだまだ好奇の目にさらされ、時には心無い言葉を浴びせられることもあります。しかし、この映画に出てくる海老原宏美さんは前向きに社会参加をされておりご自身で障害者の地域生活に関わる権利擁護・相談支援活動等をされているそうです。この映画に出演されている方々は重い障がいを持ちながら社会とのつながりを持ち続けようとしている方ばかりです。そのためには周りのサポートが必要不可欠です。この映画は自主制作で一般にも理解を深めようと制作され、全国で上映会もされているそうです。
最後に視聴したスタッフからの感想を紹介させて頂きます。
- 障がいを持っておられる方は障がいは個性と明るく生きている、映画に出てくる女性も常に笑顔を心がけ明るく日々を過ごされすごいと思いました。
- 映画に出ている女性は人工呼吸器が必要な方なのに前向きに人の為にアドバイスができる方で、人の支援がなければ生活できない事を感謝しつつ逞しく生きている姿に驚きました。
- 障がいは家族全員で支援しより絆が深いのかなと感じた。
- この女性は呼吸器をつけてどこでも人目に見られても構わないかのように出掛ける笑顔が素敵です。前向きにさせてくれました。
障がいを持った方を取り巻く環境が少しずつ変わっていく中でさらに世の中の温かい理解がより深まるきっかけになるように多くの方々にぜひご覧いただけるとよいと思います。
3月の研修
今回は「コミュニケーション手法の勉強会」と題し、私たちが日頃利用者様と行っているコミュニケーションの1つである「文字盤」のやり方を紹介しながら理解を深める会としました。
利用者様の中には全く文字盤を使わず、こちらからの質問に「YES/NO」でお答えいただく方や利用者様の口パクでおっしゃっている事を読み取る方法などありますが、文字盤を使う事によってより多くの意思疎通が図れるツールとして介護者側から利用を促すことがあります。
文字盤は透明な下敷きの様な板に50音が縦横に整列されており、利用者様が見やすい位置に提示し裏側から介護者が指さし、もしくは利用者様の目線を追って一文字ずつ読み取っていきます。
今回、良く使われる文字盤の読み取りとは違う方法で「口文字」を大山社長から紹介して頂き、さらに実際に利用者さんと介護者がやり取りをしている現場映像を見ながら「口文字」のやり方を解説していきました。
この「口文字」はあらかじめ「あ」の段「い」の段・・・を顔の一部分の動きや表情で決め(たとえば「あ段」は右の眉を上げる、「い段」は口元を動かすなど)そこから「あ・か・さ・た・な・は・ま・や・ら・わ」と進んで行き、伝えたい文字に到達した場合そこでまた合図をして、文字を確定してくというやり方です。
文字盤法ですと文字盤と利用者さんの目の動きの両方を一度に追わなくてはいけないので集中力が必要で、さらに長文になるにつれ前の言葉を忘れてしまいがちですがこの「口文字」ですと利用者さん側から最初の語りかけが可能なので、利用者さんの集中力や介護者側の読み間違いが少なく済みます。しかし、顔を動かす力や、合図を決める作業が必要になるのですぐに始められるものでもないのが難点です。介護者内でも出来る、出来ないが分かれてしまうのも問題です。
今回はこの口文字と文字盤を使用した会話をヘルパー同志で体験する時間を設けました。「名前」「趣味」など互いに介護者役、利用者役になり繰り返し行いました。利用者役は目の合図を出すタイミング、瞬きと合図の違いの難しさを体感し、利用者さんの問題点などを話し合いました。介護者役も同様に文字を追うスピード、読解力が求められ今まで文字盤を使ったことのないヘルパーもより良いやり方を模索していました。
残存機能を有効に利用したこれらの方法で、たくさんのコミュニケーションをとる事により、症状が進みどの方法も使えなくなってしまっても、雰囲気で利用者さんの訴えがわかるようになっていくのではないのかと思います。沢山の引き出しを介護者側で持っておくことも大事なケアの一つだと思っています。